第363章

渕上純がなぜそのような問いを投げかけたのか、神原文清にはお見通しだった。どうせ、ろくなことは考えていないに決まっている。

彼はゆったりとした口調で答えた。

「名門が奥さんに子供を望むのは、家督を継ぐ男児が必要だからだ──君はそう考えているんだろう?」

渕上純は片眉を跳ね上げ、あっさりと認めた。

「違うんですか?」

「いいや。祖母はそうかもしれないが、俺は違う。男だろうと女だろうと、俺と君の子供だ。俺は愛するつもりだよ」

神原文清は真顔でそう言い切った。

その言葉に、渕上純は虚を突かれたように固まった。一瞬、自分の耳を疑うほどだった。

あの神原文清が、子供を欲しがっている?

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