第364章

「ええ、ありますよ。お体への副作用は比較的少ないですが、長期的な服用が必要ですし、頻繁な使用は避けるべきです」

 渕上純は頷いた。

「じゃあ、それに変えてもらえる? ありがとう」

 嵐野別荘に戻ると、渕上純は真っ先にその薬を隠した。後になって神原文清に見つかったら、言い訳が立たないからだ。

 ベッドに腰を下ろし、彼女は自らの腹を撫でながら、もし今ここに小さな命が宿っていたらどうしようかと空想した。

 じっくりと感じ、確かめようとする。だが、刹那に襲ってきたのは恐怖だった。彼女は反射的に手を引っ込めた。

 突然母親になるなんて、やはり渕上純の心はまだ受け入れ難かった。自分は大した能...

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