第367章

実のところ、渕上純にとってこれ以上ない好条件だった。以前の彼女なら迷わずフランスへ飛んでいただろうが、今は結婚生活という守るべきものがある。幸い、D市には世界に名を馳せるフランス大劇場の分院が存在する。そんな雲の上の存在のような劇団に入団できるなど、まさに夢のような話だ。

渕上純は即座に承諾した。頬を紅潮させ、その双眸は希望に満ちて輝いている。

「はい、劇団の取り決めにはすべて従います。本当にありがとうございます」

「結構です。我が劇団へようこそ。三日以内に入職に関する書類をメールでお送りします。必要事項を記入の上、身分証と学位証明書を添えて返信してください。添付ファイルの手順に従って...

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