第379章

救急車が到着したのは、それから十分後のことだった。担架に乗せられた渕上純は意識を取り戻しつつあったが、それと同時に全身を襲う鋭い痛みが、彼女の感覚を支配していた。

それでも、救急車の周りに集まってきた生徒たちの姿を認めると、彼女は弱々しい声ながらも教師として気丈に振る舞った。

「もう遅いから、みんな早く帰って休んで……私のことは心配しないで。明日の試合の準備をしっかりね」

女子生徒の何人かは、すでに泣き出している。

「渕上先生、私たちも病院へ行きます!」

「先生、大丈夫ですか……」

「先生、具合は……」

「……」

生徒たちの一つ一つの言葉が、純の胸を締め付けた。込み上げてくる...

ログインして続きを読む