第383章

神原文清は片方の眉を上げ、椅子に座り直した。

「まさか同情か? 彼女を心配するなんて、純ちゃんらしくもない」

渕上純の表情が明らかに強張った。彼女は気まずそうに唇を引き結んだが、それでも強がりを言う。

「考えすぎよ。千鳥燕みたいな人種は、避けるに限るわ。軽く教訓を与えればそれで十分。それに、あなたも言ったじゃない。私はもうあの機関での職務を外れたって。だから今後、千鳥燕と会うこともない。会わないのなら……もう、いいかなって」

男の口元に、微かな笑みが浮かんだように見えた。

「純ちゃん、君は鉄の心臓を持っていると思っていたが……どうやら、存外に情け深い女らしい。今回、千鳥燕を見逃すと...

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