第388章

渕上純はもちろん、彼女の心中などお見通しだった。そこでふと悪戯心が芽生え、独り言のように言葉を継ぐ。

「佐美ちゃんなら、将来きっといい男を見つけるわよ。だって、男を見る目は確かだもの。文清の私への尽くしぶりと言ったら、もう言葉もないくらい。欲しいものは何でもくれるし、星が欲しいと言えば月までセットで取ってきそうな勢いね。お金のことなんて尚更よ。限度額なしのブラックカードをぽんと渡してくるんだから……」

その瞬間、新田佐美の頭の中は真っ白になり、目の前の現実を受け入れられないといった様子だった。

唇をわずかに開くものの、声は出ない。

まるで氷漬けにされたかのように、身動き一つ取れなくな...

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