第405章

新田佐美がエレベーターを降りて自席に戻ると、フロア中の視線が一斉に彼女へと注がれた。その眼差しの意味するところは明白ではないが、好意的なものでないことは確かだ。

そこに含まれているのは、紛れもない嘲笑だった。

「ねえ見た? あの子、泣きながら降りてこなかった?」

「らしいわね。さっきすれ違ったけど、ずっと泣いてたわよ」

「信じられない。あんなに意気揚々と上がっていったのに、どうして泣いてるわけ? ほんの少ししか経ってないじゃない。もしかして、こっぴどくお灸を据えられたとか?」

「でしょうね。でなきゃ、あんな状態で戻ってくるはずがないもの。何をしでかして怒られたのやら」

「……」

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