第411章

瞬間、神原文清の脳天に怒りの炎が駆け上がった。顔色は蒼白と朱を行き来し、激しい感情の揺れを物語っている。

タイミング悪く、中村瑞がドアを押し開けて入ってきた。長年、神原文清の側に仕えてきた彼には、部屋に充満する重苦しい低気圧が肌で感じ取れた。

無意識のうちに、彼は察した。十中八九、社長と渕上純がまた喧嘩でもしたのだろう。

何しろ、冷静沈着な神原文清をここまで苛立たせることができる人間など、渕上純をおいて他にいないのだから。

中村瑞は一つ咳払いをし、恐る恐る口を開く。

「神原社長。新田佐美の件ですが、大したことはないそうです。医者曰く、ただの風邪だと。ここ数日、薬を飲み忘れていたせい...

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