第412章

そのあまりに滑稽な光景に、神原文清は込み上げる笑いを必死に噛み殺した。

「純ちゃん、そんな大袈裟な。確かに痛いけど、命に関わるような傷じゃないよ」

それでも、渕上純の心臓は巨大な手で鷲掴みにされたかのように痛んだ。まるで荒縄で心臓をきつく締め上げられているような、鈍く重苦しい痛みが彼女を襲う。

彼女はしゃくり上げながら声を絞り出した。

「わ……わざとじゃないの、悪人が入ってきたんだと思って……ごめんなさい」

その瞬間、神原文清は渕上純の瞳に溢れる悲しみに飲み込まれそうになり、胸の奥がずきりと痛んだ。

彼は手を伸ばして彼女の頭を優しく撫でた。

「部屋まで肩を貸してくれないか? 座...

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