第416章

どんなに言葉を紡いでも、神原文清は深い眠りの底に落ちたままで、新田佐美に何の反応も返しはしない。その事実は少女の胸をきゅっと締め付け、同時に渕上純への嫉妬心を狂おしいほどに掻き立てた。

美人は、何をしても許されるというのか?

だが、新田佐美は見落としている。美貌だけで世の中を渡れるわけではない。渕上純は優秀なのだ。それも、多くの人間が及ばないほどに。

視野の狭い佐美には、その現実が見えていないだけだった。

インターンとして入社して数ヶ月。佐美の知る神原文清は、常に氷のような表情を崩さず、誰に対しても厳格で、その顔に笑みが浮かぶことなど一度としてなかった。

しかし今、眠っている彼の口...

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