第418章

異国での悲しみを経たせいだろうか。神原文清の親密な言葉を耳にしても、渕上純の心はもはや以前のようには動かなかった。

それどころか、淡い嫌悪感すら胸の内に兆していた。

彼女は表情を崩さず、平坦な口調で問いかけた。

「私のこと、恋しくなりました?」

「そりゃあな。想ってなかったら、わざわざこんなこと聞くかよ」

神原文清の瞳が一瞬揺らぎ、口元に薄い笑みが浮かぶ。

その瞬間、渕上純の瞳から光が少しずつ失われていった。それはまるで夕暮れ時の薔薇が、音もなく凋落していくかのようだった。残されたのは、色の変わった静寂な美しさだけだ。

「いつ帰ってくるの?」

女はわざと話題を逸らした。

神...

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