第422章

神原文清は表情を凍りつかせたまま、抑揚のない声で告げた。

「必要ない。お前は中村瑞の車に乗るか、あるいはタクシーで帰れ。交通費は明日、経理に請求しろ」

その瞬間、新田佐美の胸中を焦燥が駆け巡った。彼女は反射的に答える。

「いえ、滅相もありません! 帰宅しても特に用事はありませんし、神原社長のお側にいれば勉強になりますから。すぐに中村瑞さんのところへ参ります。神原社長、どうぞごゆっくりお休みください」

そう言い残すと、新田佐美は小走りで前方へ向かい、車で待機していた中村瑞のもとへ急いだ。

中村瑞は平静な表情を崩さず、新田佐美を一瞥しただけで車に乗り込んだ。

二台の車が前後して走り出...

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