第435章

神原文清が口を開くのを待つまでもなく、渕上純は眉目を厳しく引き締め、冷ややかな笑みを浮かべた。

「いい加減になさい、新田佐美。私は貴女に指一本触れていないわ。事の顛末は誰よりも貴女自身が一番よく知っているはずよ。ここで被害者ぶる安っぽい芝居なんて必要ない」

新田佐美は内心狼狽した。まさか渕上純がこれほど真っ向から反撃してくるとは予想していなかったのだ。

だが、今の状況下では、か弱い被害者を演じ続けることだけが彼女にとって最大の武器となる。

彼女は瞳を潤ませながら神原文清を見上げた。慰めの言葉を期待してのことだったが、彼の視線は渕上純の顔に釘付けで、新田佐美のことなど一瞥もしていない。...

ログインして続きを読む