第439章

そう言われても、渕上純の心の痛みは癒えなかった。抱きしめられたまま身動きひとつせず、体は冷え切って脂汗が滲む。唇を噛み締め、爪が肉に食い込むほど腕を強くつねる。痛みで感覚を麻痺させようとしても、心の底から湧き上がる寒気には抗えなかった。

たった半日で、渕上純は日本中から石を投げられる「悪女」に仕立て上げられていた。

新田佐美を非難する声は皆無だ。写真の中の彼女は完全な被害者に見える。誰が想像できるだろうか、真実は新田佐美による罠だったなどと。

やはり人の口に戸は立てられない。彼女一人の言葉など、ネット上の何万という悪意には到底敵わないのだ。

大衆は信じたいものだけを信じ、炎上が拡大す...

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