第449章

その言葉を聞いた瞬間、千鳥燕は弾かれたように顔を上げ、斎藤俊を睨みつけた。頭の中が真っ白になり、耳鳴りが響く。その凛とした立ち姿が、一瞬だけ揺らいだ。

斎藤俊の狙いは、千鳥燕を激昂させることにあったのだ。もし潔白ならば、ただ冷笑してあしらうだけで済む。図星を指された人間だけが、羞恥と怒りで我を忘れるのだ。

まさに今の千鳥燕のように。

こうなると、千鳥燕はもう自分が露見したかどうかなど構っていられなかった。彼女は袖をまくり上げ、斎藤俊めがけて平手打ちを繰り出す。だが、とっさに渕上純が斎藤俊の前に立ちはだかり、その一撃をもろに食らってしまった。

パチン、と乾いた音がオフィスに響き渡り、全...

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