第453章

 書斎にて。

「まったくお前ってやつは……。さっきの二人の様子、上から見てて何度も止めに入ろうとしたんだぞ。だが、事前に手出し無用と釘を刺されていたからな。俺はただ黙って耐えるしかなかった」

 高橋健はソファに深く腰掛け、やれやれといった様子で両手を広げた。

 実のところ、高橋健は今朝早くからこの屋敷に来ていた。昨晩、神原文清から連絡があり、渕上純の精神状態と体調が芳しくないため、朝一番で診察してほしいと頼まれていたからだ。

 本来なら神原文清は、渕上純を直接病院へ連れて行くつもりだった。しかし、昨今の世間を騒がせている輿論や、彼女自身の拒絶反応を鑑み、まずは高橋健を呼んで診察させる...

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