第471章

それでも、渕上純は通話ボタンを押した。

「もしもし、馬田さんですか」

「渕上先生、ご無沙汰しております。お元気ですか」

馬田の声は丁寧で、年長者でありながらどこか恭しささえ帯びていた。渕上純もまた、礼儀正しく応じる。

「ええ、おかげさまで。馬田さんはいかがですか」

「それが……まあ、なんと言いますか。正直なところ、生徒たちの士気がどうにも上がらなくてですね。私もどうしようもなくなって、こうしてお電話差し上げた次第です。どうかご容赦ください」

それを聞き、純は怪訝そうに眉を寄せた。

「え? どういうことでしょうか」

「単刀直入に申し上げます。先生が教壇に立たれると聞いた時、皆あ...

ログインして続きを読む