第474章

反射的に通話を切り、すぐさま寝返りを打って再び夢の世界へと潜り込もうとした、その時だった。

間髪入れずにメッセージの着信音が鳴り響く。閉じていた瞼の裏で、渕上純は眉を寄せた。不機嫌さを隠そうともせずスマホを手探りし、薄目を開けて画面を覗き込む。

『先生、香椎那奈です。以前教えていただいた者ですが、お電話よろしいでしょうか?』

その文字を見た瞬間、纏わりついていた睡魔が波が引くように消え去り、渕上純の意識は急速に覚醒していった。彼女がベッドから身を起こしたちょうどその時、計ったように再び着信画面が点灯する。

「……もしもし」

受話器の向こうから、香椎那奈の弾んだ声が聞こえてきた。

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