第476章

もっとも、これはこれで悪くない。このところ神原文清に家に閉じ込められ、渕上純は息が詰まりそうだったのだ。このC市行きを好機と捉え、思う存分羽を伸ばすと同時に、新田佐美の一件からも少し距離を置くことができる。

新田佐美が今も神原グループに在籍しているかどうか、彼女は一度も尋ねたことがない。それは自分には無関係なことだ。仕事上の人事権など彼女にはなく、ましてや神原文清の考えを左右することなどできようはずもない。

食事を済ませると、渕上純は小さなスーツケースを取り出し、荷造りを始めた。馬田さんの話では、今回の行程は暫定で五日間。だが、試合の結果次第では一週間ほど滞在することになるかもしれない。...

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