第495章

「あ、あの……私はただ、社長の携帯をお持ちしようと思っただけで……それ以外は、本当に何もしていません」

新田佐美は往生際悪くしらを切り続けた。神原文清には証拠などあるはずがないと、高を括っていたからだ。

だが、男の次の一言が彼女に引導を渡した。

「さっき、ドアの外で聞いていたんだ。君が俺の電話に出たのをな。話しぶりからして、相手は妻だろう」

そう言い放つ神原文清の瞳は、絶対零度のごとく凍てついていた。その眼差しには、隠しようのない陰惨な冷気が漂っている。

その言葉に、新田佐美の表情が凍りついた。脳天に雷が落ちたような衝撃を受け、心臓が早鐘を打つ。手先が微かに震え出し、冷や汗が背筋を...

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