第108章 人を探してくれ

冬木颯真は回りくどいことは言わず、単刀直入に切り出した。

「千野家がW市に支社を出すおつもりだと伺いました。

K市では指折りの名家でも、W市は初めてでしょう。勝手も人脈もまだ整っていないはずです。いまこそ、手を取り合う相手が必要な時期だと思います。

俺なら、千野家がW市で市場を切り開く手助けができます。

今回、冬木家がこの難局を乗り越えるのにお力添えいただけるなら――いずれ必ず、この命に代えましてもご恩に報います」

千野国義はすぐには答えず、指の関節で机をコツ、コツと叩きながら、胸の内で算段を巡らせた。

冬木家で何が起きたかは知っている。

帰一盟を敵に回し、もはや袋小路に追い込...

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