第113章 私のために正義を取り戻してくれ

その口ぶりは、これ以上ないほど真摯そのものだった。

けれど冬木涼子は、嘲るように唇の端をわずかに吊り上げるだけ。

同じ屋根の下で十七年。少しでも目を向けていれば、彼女が冬木家でどんな扱いを受けてきたかくらい、嫌でもわかったはずだ。

――関心が足りなかった、だって?

違う。最初から、関心なんてなかった。

今さら急に擦り寄ってくるのは、彼女の手にある冬木グループの株と、背後に帰一盟がいるからに決まっている。

冬木颯真は、涼子の力を踏み台にして、帰一盟という後ろ盾に取り入ろうとしているだけだ。

涼子は鼻で笑い、相手にする気もなく視線を逸らした。

――そのとき。

視界の端に、冬木雨...

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