第115章 冬木涼子はどうしてこれらすべてを知っているのか

冬木美蘭は自ら冬木涼子のグラスに酒を注いだ。

「冬木涼子、これ、ホテルでいちばん有名な桜吹雪よ。すごく飲みやすいの。ほら、味見して」

冬木涼子はちらりと目をやり、表情ひとつ変えない。

「すみません。お酒は飲みません」

冬木雨音の顔色がさっと変わった。

「お母さまが直々に注いでくださったのよ。その程度の顔も立てられないの?」

冬木涼子は、焦りを隠せない雨音を淡々と見返す。

「……本当に、私に飲ませたいんだ」

冬木美蘭と冬木雨音は、その視線を受け止めた瞬間、言葉にできない感覚に襲われた。胸の奥がざわつき、背筋がひやりと粟立つ。

――まさか。冬木涼子、何か知っている?

そんなは...

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