第116章 彼らはまだ人間なのか?

冬木颯真は火がついたようにホテルへ駆けつけた。

だが、そこにいたのは冬木雨音だけじゃない。父の冬木紳助までいる。

しかも雨音の顔には、狂気じみた――歪むほどの快感と得意げな色が浮かんでいた。

颯真の胸が嫌な音を立てて跳ねる。怒鳴り声が喉から飛び出した。

「涼子に何をした!」

雨音はびくっと肩を震わせ、悔しそうに地団駄を踏む。

「お兄ちゃん、何なのそれ? 私が実の妹なのに、私のことは聞かないで、頭の中は冬木涼子ばっかり!」

そんな言い分に付き合う気はない。颯真の声はさらに鋭くなる。

「涼子はどこだ。どこにいる!」

見かねたように紳助が口を挟んだ。

「颯真、どうした。妹に向か...

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