第012章 秘技・霊神十三針

「わしは江崎だ。お嬢ちゃんと同じで、医者でもある」

老人はそう名乗った。

冬木涼子は、なぜ見覚えがあったのか腑に落ちた。江崎という姓、医者――この老人は、江崎悠白の祖父に違いない。

祖父と孫は、眉や目元の雰囲気がよく似ている。

だが冬木涼子は江崎悠白の名を出さず、平然と問い返した。

「私に、何かご用ですか?」

江崎哲哉が言う。

「お嬢ちゃん。さっき人を助けた場面、全部見ていた。失礼を承知で聞くが……今のは、東洋医術で失われた『秘技・霊神十三針』じゃないのか?」

冬木涼子は小さくうなずいた。

今日は他の器具を持っていなかった。手元にあったのは針の一式だけ。切羽詰まって、あの方...

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