第126章 もう間に合わない

冬木涼子は取り乱さなかった。氷みたいに冷えた目で冬木美蘭を見据える。

「それ、人身売買だよ。犯罪。あたしをそんな場所に送るつもりなら……いつか自分の大事な娘も同じ目に遭うって、想像したことある?」

一拍置いて、涼子は淡々と言い切った。

「冬木夫人、忠告しとく。やるなら逃げ道くらい残しときな。自分と、お嬢さんの道まで全部塞ぐことになる」

冬木美蘭は、それを恐怖から出た脅しだと受け取ったらしい。腹を抱えて笑い飛ばす。

「うちの娘は私が守るに決まってるでしょ。冬木家のお嬢様よ? 親が誰かもわからない雑種と同じ末路になるわけないじゃない」

そして、勝ち誇った声で続けた。

「安心しなさい...

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