第014章 涙をこらえて10億を受け取る

そう思い至った瞬間、冬木涼子の全身を濃い殺気が覆った。

けれど、御堂柊吾がこちらへ視線を向けた途端、彼女はぱっと花が咲いたような笑みを作る。

「柊吾、おはよう」

「……ああ」

御堂柊吾の淡い返事は、ほとんど癖みたいなものだった。だが昨日の彼女の「糾弾」を思い出し、少し間を置いて付け足す。

「おはよう」

冬木涼子の笑みが、さらに眩しくなる。

ちょうどそのとき朝食が出来上がり、冬木涼子は車椅子の御堂柊吾を押して食堂へ向かった。

席に着いたばかりのところへ、江崎悠白が怒り顔で入ってくるなり、どかっと腰を下ろした。コップに水を注ぎ、一気にあおる。

顔色の悪さに、御堂柊吾が眉を寄せる...

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