第017章 黒白を逆さまにする

冬木涼子は冷笑を浮かべ、二歩、前へ出た。

一本の棒の前で足を止めると、つま先でひょいと跳ね上げる。棒は弾けるように宙を舞い、速く、鋭く、正確に――二人の膝へ叩き込まれた。

ドンッ!

続けて、もう一発。

二人はその場で膝から崩れ落ち、顔色を失う。

冬木涼子はもう一本を拾い上げ、片手で端を握った。目の前で横に構え、ゆっくりと落として、反対の手のひらで受け止める。

トン、トン。

軽すぎず重すぎない、鈍い音が一定のリズムで響いた。

そして彼女は、冬木陽斗と高橋爽子へ向かって歩き出す。

気だるげな所作。なのに、容赦なく踏み潰してくるような圧が滲み出ていた。

高橋爽子はもちろん、冬木...

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