第025章 急いで死にたがるやつなんて初めて見た

冬木雨音は玄関先に立っていた。

冬木陽斗は彼女の姿を見た瞬間、まるで救世主でも現れたみたいに目を輝かせる。光の女神でも見つけたような顔で。

「姉ちゃん!」

叫ぶなり駆け寄って、冬木雨音をぎゅうっと抱きしめた。

「やっぱ俺の姉ちゃんが一番だよ」

冬木雨音は呆れたように息をつく。

「もう……あんたね。安全だけはちゃんと気をつけなさい、いい?」

言い聞かせるように続けた。

「お父さんとお母さん、今夜はチャリティーのパーティーに行ってて、そんなに早くは帰ってこない。でも九時までには絶対戻るから」

そして、念を押す。

「九時までに必ず帰ってきなさい。分かった?」

「分かった分かっ...

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