第028章 この言葉を彼に返した

冬木雨音は胸の奥がきゅっと締まり、瞬時に腹を決めると、二人の使用人に言い放った。

「陽斗が外に出たこと、絶対に口にするな。いいな?」

使用人たちは顔を見合わせる。――これ、本当に隠し通せるのか?

雨音はすぐさま両親のほうへ歩み寄り、何事もなかったように、甘える声で言った。

「お父さん、お母さん。お帰りなさい」

「うん」

冬木美蘭は慈しむように娘の肩を抱く。

「こんな時間まで起きてるの? まだ勉強してたの?」

この娘は努力家で大人しく、いちばん安心できる子だ。

「さっき問題が終わったところ。お水飲んだら寝るよ」

「いい子ね。無理しないで。成績はもう十分すごいんだから。先生も...

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