第040章 彼は何か間違ったことを言ったのか

冬木涼子は慌てる様子もなく、彼と視線を合わせた。

今日は明らかに、わざと装っている。淡い水色の薄手のシャツに、カーキのカジュアルなロングスカート。丈はふくらはぎまでで、シルエットもゆったりめだ。シャツはスカートにきちんとインしている。

頭には淡い色味の帽子。つばは少し低く、同系色のマスクが顔の大半を隠していた。

露出しているのは、氷みたいに冷たい目だけ。

眉間には、ほくろが一つ。

――冬木涼子じゃない。

冬木涼子はいつもTシャツにジーンズで、こんな格好は絶対にしない。眉間にほくろもない。

それに何より、冬木涼子はどうしようもない落ちこぼれだ。テストはいつも低い点数。大学に行くな...

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