第042章 防御が崩れた

冬木涼子は荷物を開けると、中から電極パッドを取り出し、御堂柊吾のふくらはぎに貼りつけた。

それからようやく、江崎悠白の問いに答える。

「必要な薬の成分が複雑で。いまは揃えられないの」

淡々とした口調。ごまかしも隠し事もない。

そして、それは事実だった。

江崎悠白は口をつぐみ、眉を寄せて考え込む。

この若き名医の腕を、彼は疑っていない。

脳裏をよぎったのは、天才医師・葵が断ったときの、あの迷いのない態度だ。まさか――葵も薬が足りないから、御堂柊吾の治療を引き受けなかったのか。

江崎悠白は慌てて冬木涼子に食い下がった。

「じゃあ、何が必要なんだ? 俺が探す。どれだけ難しくても、...

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