第048章 誰かが不運に見舞われる

冬木颯真も、自分のやり方が卑劣だという自覚はあった。

だが、ほかに手がない。

普段の佐伯荀は滅多に外へ出ない。会うには事前のアポイントが必須――なのに、そもそも予約が取れない。

ようやく外出の機会を掴んでも、今度は取り巻きが多すぎる。ボディガードだの部下だのがぞろぞろいて、近づくことすらできなかった。

今日は、ようやく巡ってきた好機。

佐伯荀にさえ会えれば、誤解を解いて、冬木グループの危機だって解消できる。颯真はそう信じていた。

ところが――。

608号の個室に近づく前、廊下の角を曲がったところで、いきなりボディガードに止められた。

腕を横に伸ばして行く手を塞ぎ、男が言う。

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