第060章 女のためだと聞いた

御堂柊吾も冬木涼子を見ていた。

江崎悠白のその問いに、彼もまた興味をそそられていたのだ。

それにしても妙だ。これほどの腕があるなら、一流の医大だって頭を下げてでも迎えたがるはずなのに、彼女は職業高校に進んでいる。どう考えても筋が通らない。

冬木涼子は隠し立てせず、あっさり本当のことを口にした。

「私の医術は、冬木雨音のために身につけたの」

「冬木雨音?」

御堂柊吾と江崎悠白は顔を見合わせた。まさかそんな答えが返ってくるとは思っていなかった。

冬木涼子は淡々と続ける。

「冬木雨音は生まれつき血液の病気で、それに珍しいHR陰性の血だったの。小さい頃、数日おきに病院へ連れて行かれて...

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