第061章 若い夫婦がすねてしまった

「女って……誰のことだ?」

御堂柊吾は眉をひそめた。「何を言ってる」

冬木涼子が言う。「今回のケガ、女絡みだったんじゃないの?」

「違う」

「じゃあ、何のため?」

畳みかけるように問われ、御堂柊吾は一瞬だけ黙った。声音が、ひどく淡くなる。

「言っただろ。仕事の……ちょっとした揉め事だ」

冬木涼子はしばらく黙って彼を見つめ、それから小さくうなずいた。

「そっか。言いたくないなら、それでいい。ちゃんと休んで」

立ち上がり、部屋を出ていく。

御堂柊吾は、彼女の声に滲んだ寂しさを聞き取ってしまった。胸がきゅっと締まり、反射的に叫ぶ。

「涼子!」

返事はない。冬木涼子はもう廊下...

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