第062章 気に入ってくれればいい

城門の前を守っていた警備員が二人、すぐさま歩み寄って頭を下げた。

「若様、若奥様」

御堂柊吾と知世は、軽くうなずいて応じる。

警備員は即座に左右へ退き、通路を空けた。

冬木涼子は、この小さな小さな城の中に何があるのか知らない。それでも御堂柊吾の車椅子を押し、奥へと進んだ。

建物の造りも内装も、ため息が出るほど手が込んでいる。空間はすっと抜けるように広く、採光も申し分ない。

けれど、足を踏み入れた瞬間――涼子は言葉を失った。

そこは、医薬品研究センターとして整えられていたのだ。

各種の医療機器、実験用の器具、抽出装置、精密な作業台。必要なものが、過不足なく揃っている。

涼子は...

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