第073章 死んでも、もう一度試してみたい

香川美北は唇をぎゅっと噛みしめた。

――出ていけない。

お姉ちゃんは、自分にいちばん優しいお姉ちゃんだ。

それでも、怖くて布団の外へ出られなかった。

冬木涼子は眉をわずかに上げ、それ以上は説得しないまま、ふいに言った。

「美南さん、顔……血が出てるけど?」

香川美南が状況を飲み込むより早く、その一言に反応して、美北は布団から勢いよく飛び出した。

「お姉ちゃん……!」

灯りの下に晒されたのは、顔一面に広がる痛々しい膿疱。

けれど、目に映った美南の顔は――無傷で、いつも通りだった。

騙された。そう気づいた瞬間、美北は慌てて両手で顔を覆う。

「うそ……だました……だました……...

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