第079章 この恨みは一生忘れない

その光景を見て、香川夫妻は目を合わせた。瞳の奥で、してやったりの笑みがきらりと光る。

そのとき、外からけたたましいサイレンが響いた。

続いて、制服姿の警官たちが玄関から踏み込んでくる。

香川翠は膝をぱんと叩き、喉を張り上げた。

「まあ! お巡りさん!」

五十を過ぎた女が、三十そこそこの男に向かって甘ったるく「お巡りさん」などと呼ぶ。見ているだけで胸が悪くなる。

だが警官はそんなことに構っていられない。香川翠の前まで来ると、即座に問いただした。

「どうしました?」

香川翠は部屋のほうを指さし、わなわなと震える声を作る。

「中……中で……殺人、殺人が……!」

警官は返事もそこ...

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