第085章 君にこの機会をやる

香川美南はすでに人を動かして調べさせていた。香川美北に毒を盛ったのは――香川宗雄。

冬木涼子に「美北の顔が壊れたのは毒のせい」と指摘された時点で、美南は調査を始めていたし、背後に宗雄がいることも薄々察していた。

ただ、宗雄は父のたった一人の弟だ。美南の中には、どうしても情が残っていた。

だから、表沙汰にして徹底的に潰し合うような真似はしたくなかった。

それなのに――美北がいちばん大事な局面にいる、その最中。あいつは平然と薬に毒を混ぜ、危うく実の妹を殺しかけた。

それだけは、絶対に許せない。

美南は拳をぎり、と握りしめた。顔には憎悪が張りついている。

「狙いは香川グループだって分...

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