第086章 解毒すべきだ

香川宗雄は、びくりと肩を震わせた。

落合知世をどこか怯えた目で見つめる。まさか、こうもあっさり携帯を渡してくるとは。帰一盟が怖くないのか?

――だが、こちらも、ちょうど帰一盟のあの人に電話するつもりだった。

宗雄は落合知世と香川美南を睨みつけ、吐き捨てる。

「いいだろ。お前ら、覚えてろよ!」

歯を食いしばり、番号を押す。

心の中で呟いた。待ってろ。帰一盟のあの前輩は、とんでもなく強い。きっと俺を助けてくれる。

香川美南に土下座させて、泣いて頼ませてやる――。

香川美南は、宗雄が本気だと悟って眉をひそめた。

けれど次の瞬間、その瞳に宿ったのは揺るぎない決意。

もう通報は済ま...

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