第009章 疑念

「かしこまりました!」

佐伯荀は興奮で目を輝かせ、今にも電話をかけようとした。

「……もう一つ、お願いがあるの」

一拍置いて、冬木涼子は続ける。

「私の実の両親のこと。あなたたちにも少し気にかけてほしいの。何か手がかりが見つからないか、探ってもらえない?」

前の人生で彼女は、自分が実の親に捨てられたのだと信じ込んでいた。だから探そうともせず、冬木家に感謝してすらいた。

だが死の間際になって、ようやく知ったのだ。

捨てられたのではない。冬木家に盗まれたのだ、と。

目的はただ一つ。冬木雨音に輸血するため。

今世の彼女は、今さら薄い親情に縋りたいわけじゃない。ただ――実の両親が、...

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