第093章 夫を盗み見る

彼はあっさり御堂湊の腕をつかむと、涙も鼻水も遠慮なく袖にこすりつけた。

「頼む、神様……うちの若様をどうかご無事で……!俺、御堂湊が一生嫁をもらえないことで交換してもいいから!」

御堂湊の口元がひくりと引きつる。

……いや、ほんとにありがとう。なんでおまえの立てた物騒な誓いに、こっちが巻き込まれるんだ。

海棠湾の屋敷は門も扉も固く閉ざされ、使用人たちも誰ひとり外へ出なかった。ほかの仕事に手をつける気にもなれない。

全員がリビングのソファに、横一列で座っている。

今日は初日。御堂柊吾の解毒、その最重要の第一歩。

この一歩が、手術の成否を左右する。

緊張で身体がきしむほどで、トイ...

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