第094章 あなたが欲しいん

御堂柊吾は彼女の言葉など聞こえなかったことにした。けれど耳のあたりだけが、じわりと赤く染まっていく。

冬木涼子も、それ以上からかうのはやめた。

ちょうど粥もほどよく冷めたころだ。彼女は器を持ち上げる。

「俺がやる」

「私が食べさせるの」

冬木涼子は匙で粥をすくい、彼の唇の前へ運んだ。「まず温度、確かめて。熱くない?」

「ちょうどいい」

それから冬木涼子は、彼に食べさせながら言った。

「ねえ、あなた。今日のあなた、見てて本当に辛そうだった。明日の薬、量を少し調整しようか。時間はちょっと長くなるけど、その分、苦しみは減らせると思うの」

御堂柊吾は一口飲み込み、真剣に言葉を紡ぐ彼...

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