第107章

  神崎飛鳥は遊園地のバイトにも戻らず、どうやって人目につかないよう棺を取り返すか、そればかり考えていた。

  昼は相変わらず、和菓子屋の隣にある花溪牛肉米線の店へ行く。ここのモツ米線がとにかくうまい。大骨をぐつぐつ煮込んだスープは香りが濃く、白くてむっちりした米線を熱い汁で泳がせて、丼にざばっと移す。そこへ骨スープをさらに何匙かとろりとかけ、古漬けの酸菜をひとつまみ。仕上げに刻みネギと香菜をぱらり。もう、たまらない。汁まで飲み干せる。

  一杯たいらげた瞬間、悩みなんて欠片も思い出せなくなった。

  食後は川沿いをぶらぶら歩く。ナイロン袋いっぱいの全財産は、こっちの草むらに隠してある...

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