第11章

騒がしかった病室が、ようやく静まり返った。

 高瀬悠真はもう眠っている。比良恒一は窓のほうへ目をやったが、外は真っ黒で何も見えない。それでも――そこに「何か」がいる気がして、眉間にしわが寄った。見えていないだけで、確かに、いる。

 昼間は安倍様が様子を見に来てくれた。悠真の身に邪気がまとわりつき、陽の気がいくらか欠けていることは見抜いたが、それ以上はわからない、という結論だった。つまり今すぐ命に関わるわけではない。だが、このまま解決しないなら、あの未完成のビルまで行って確かめるしかない――。

 ところが、夜になってまた一悶着だ。

 昼間の悠真は、確かに大丈夫そうに見えた。身体は弱って...

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