第142章

こりゃまずい。あそこまで倉中を痛めつけたんだ。あいつが立ち直って戻ってきたら、こっちが巻き添えを食うだけじゃない。下手をすれば、神崎様にまで復讐しに行く。

安倍晴明は慌てて神崎様に電話を入れ、不吉な知らせを伝えた。

「倉中が逃げました。申し訳ありません。しばらくは用心してください。あいつ、戻ってきて神崎様に仕返しするかもしれません」

神崎飛鳥は、倉中が逃げおおせたと聞いて少し意外そうにした。ふと、昔のことを思い出す。

たしか以前にも、やたら逃げ足の速いちびっ子幽霊を一匹、取り逃がしたことがあった。あのときは寝起きで腹が減りすぎて、山じゅう食べ物を探し回っていた。ちょうど山頂で、ふわっ...

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