第146章

  最初の一団の部屋さえ貸し出せてしまえば、あとは話が早かった。様子見していた身寄りのない幽霊どもが、「あの婆さんたち、何も起きてねぇじゃん」と気づいた途端、ぞろぞろ集まってきたのだ。

  幽霊稼業も長い。多少の蓄えくらいはある。今どきは各家庭が玄関先で拝むにせよ墓で拝むにせよ、ついでに“行き場のない連中”の分まで紙を燃やしてくれる。節目の時期――正月だの盆だの彼岸だの――は特に賑やかで、連中が「腕の見せどころ」とばかりに動く。長年かけて、かき集めた資産も少なくない。

  だが、供養してくれる者がいない幽霊は、金があっても行き先がない。服だって一着を擦り切れるまで着るしかない。あっちの世...

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