第156章

エレベーター騒ぎは、ようやく収束した。

ホテル側は終始、何が起きたのか把握できていない。ただ「事故が突然起きて、なぜか突然収まった」――その程度の認識だ。わずかに内幕を盗み聞きした者もいたが、その時点で肝を潰してしまい、口をつぐんだ。外部から問われても、みな首を横に振る。

「何も知りません。聞かないでください。こっちだって被害者なんです」

妖怪が妖怪を食った、なんて話を軽々しく口にできるわけがない。命が惜しくないのか。

原因が特定できない以上、ホテルとしても打てる手は限られていた。自社スタッフなら、見舞金を多めに出してケアすれば済む。問題は松波幸延のほうだ。

松波幸延のマネージャー...

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