第175章

安倍晴明が神崎様から電話を受けても、さほど驚きはしなかった。倉中が売られるのも時間の問題だろうし、むしろ遅いくらいだ。とはいえ、ここ数日は晴明のほうも立て込んでいる。いまはA市にいない。戻るにも数日はかかる。だから神崎様には、少し待ってもらうことにした。

 その矢先、E市のほうから、きな臭い話が飛び込んできた。

 山中で行方不明になっていた考古学チームが、二日ぶりに発見されたという。ところが彼らの証言が、常識から外れている。

 山で幽霊に遭い、連れ去られて閉じ込められた。数日間、散々いたぶられ、ようやく逃げ出せた――そう言い張るのだ。

 閉じ込められていた場所は古い墓の中。食べ物も水...

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