第179章

長田秀明はもちろん、五、六人に地面へ押さえつけられて身動きの取れない隊長でさえ、ようやく事態が思ったほど単純じゃないと悟りはじめていた。痛みを怖がらない人間なんていない。電気を怖がらない人間だっていない。なのに目の前の連中は、痛がりもしないし、痺れもしない。力も異様に強い。

距離が近いぶん、表情までよく見える。顔はこわばり、血の気のない青白さ。まばたきひとつせず、ただ押さえつけることだけに徹している。まるで命の抜けた操り人形だ。

――これ、中毒って感じでもないぞ。

隊長の脳裏に、長田秀明の言葉が刺さるように蘇る。『三井暁夫は三井暁夫じゃない』。だが、どう見ても三井暁夫の顔だ。じゃあ、い...

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